私とあなたとの間でパーフェクトであるなら

私は物事を完璧にやりたいと思う方だと思う。この傾向は父譲りだ。

父にはそのような傾向があって、本人も自覚していた。だから、「仕事もギリギリまで手を付けないんだよな・・それで詰めが甘くなる」と言っていたことがあった。結果パフォーマンスはそれほど完璧にはならなかったということが言いたかったのだろうと思う。本人にはそれもわかっていたから、そういう言いかたをしたのだと思う。

頭で考えたパーフェクトに縛られて、身動きができなくなる。そういう人は珍しくないように思える。かくいう私もそのひとりです。時には自分で作り上げたパーフェクトのイメージに縛られて、自分だけでなく、他人のことも苦しくしたりする。しかし最近思う。パーフェクトとは、個人的なものであること、ときに形にならないものであること、あとは、人がいて初めて生まれるものかもしれないこと、すなわち、私と「あなた」にとってパーフェクトであることが大切なのではないかと思う。

この「あなた」の存在の確信。そして、「パーフェクト」とは自分ひとりで作るものではなくて、関わりの中で生まれるものだという感覚。

この体験を繰り返すことが、あるいは私が日ごろ、心理療法でおこなっていることかもしれないと思った。

・・・私とあなたとの間でパーフェクトと思えたならそれでいいのだ。

この記事を書いた人

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加藤 理恵

臨床心理士・公認心理師
カウンセリングルーム はるき カウンセラー 

(株)デンソーを退職後 心理系の大学院を修了し、39歳で心理カウンセラー
42歳でカウンセリングルーム はるき 開室。
ユング心理学を背景に持つ、夢分析 箱庭療法を得意とし、主にうつ、不安、対人関係に関する悩みの相談にあたっている。

過去に、精神科クリニック 産業領域(トヨタ車体(株)) 愛知県教育委員会スクールカウンセラー(中学校) 等でのカウンセラーの経験がある。