エネルギー分配について考えた

人のエネルギーには限界があることは言うまでもない。どんな優秀な人やどんな体力がある人でも、できることの限界がある。お金に例えると、例えばいくら財力があって、仕事を人にお願いできるような身分の方だとしても、持っているお金にも限界があるから、できることに限界がある。だから何にエネルギーを注ぐのか選択することになる。

子育ても同じで、親にもエネルギーの限界がある。また、親には親の選択や、人間ならば誰しも恣意的になることもある。子供はそれに対して、何か不満を持つかもしれない。こんなことをしてほしい。こんな愛情の示し方はされたくない・・・等。しかし、親にはそうしないとやっていけなかった背景があるかもしれない。ここで断っておきますが、親が子どもに刑事告訴されるような、極端なケースの場合は、ここに書いていることとは話は別です。

・・話を戻します。世の中に完璧な人などいない。同様に全てのことを完璧に選択できる親もいないと思われる。その時々に、親には親の関心事や、取り組んでいる自分の課題、成し遂げたい夢・・などがあって、時には子育てのことに十分エネルギーを注げない場合もあるかもしれない。

大切なのは、当人たちが主体を示すことかと私は思う。それは、何かを選ぶときに、犠牲となる部分にも目を向けること、己の矛盾にも目を向けること、それでもそうせざるを得ないその理由がわかっていること。それをしても、自分が何かを選んだことで、怒りや、逆に過剰な罪悪感を感じないこと、選択に責任を負うことかと思う。

時に人は自分でも気づかず、過去に感じた自分の感情を心の奥底に押し込めたり、解決されない感情を、心の中のどこかにおきざりにしたりしている場合がある。それが大人になってから何かを選ぶときの、足かせになる場合もある。そのような足かせは外してしまって、今自分ができるベストの選択は何か、それを考えて行動することが重要と思います。そのために人は過去の人間関係について整理し客観視できるようにすることが必要です。あのときはああだった。そしてやむにやまれず今、私はこうしている。これが怒りや病的な罪悪感なしに語れることが、正しいエネルギー分配をするうえで大事かと思います。

しかし同時にそれは、当人の精神的な発達が進む中で可能になるものとも思われる。大人であっても子どもであっても。

頭で考えても心は育たない。だから視野を拡げないといけない。ひとのこころが育つのは時間がかかるし、あれこれやってみるしかない場合もある。

この記事を書いた人

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加藤 理恵

臨床心理士・公認心理師
カウンセリングルーム はるき カウンセラー 

(株)デンソーを退職後 心理系の大学院を修了し、39歳で心理カウンセラー
42歳でカウンセリングルーム はるき 開室。
ユング心理学を背景に持つ、夢分析 箱庭療法を得意とし、主にうつ、不安、対人関係に関する悩みの相談にあたっている。

過去に、精神科クリニック 産業領域(トヨタ車体(株)) 愛知県教育委員会スクールカウンセラー(中学校) 等でのカウンセラーの経験がある。