死んでも死にきれん

昨日、名古屋で終末期の患者さんの事例を検討する研究会に参加した。知り合いの心理士さんが主宰する研究会で年に3回ほど開催され、毎回興味深い事例が提示されてとても勉強になる。昨日の会は、自分の中の死ということについて考える機会となったので、それを書こうと思う。

                   

私は2011年ごろ、自分が死ぬ夢を繰り返し見た。ときを同じくして、心理士になった。

心理士になったのは死ぬほどの覚悟でなった。心理士になっていなかったら、どうにかなっていた。両方解釈としては可能だと思う。

そして、私は今年、開業心理士になった。

開業なんてすごいね。開業なんてしてやっていけるの。

よく言われますが、別にすごくない。やむにやまれずそうなっただけだ。

私がしたかったのは開業ではない。私がしたいのは、臨床の先生に教えてもらったことを、これから生かしていくことだ。教えてもらったというよりは、この7年半、これは指導を受けた年数ですが、教えてもらったとか指導を受けたというよりは、その間自分が生きたこと、それをこれから実現していくことだ。その場所が必要なだけだった。

それがやれないと私は、死んでも死にきれん。

以上が今の私に実感できる自分の中の死というものだ。昨日研究会で発表を聞きながらそう思った。

この記事を書いた人

アバター

加藤 理恵

臨床心理士・公認心理師
カウンセリングルーム はるき カウンセラー 

(株)デンソーを退職後 心理系の大学院を修了し、39歳で心理カウンセラー
42歳でカウンセリングルーム はるき 開室。
ユング心理学を背景に持つ、夢分析 箱庭療法を得意とし、主にうつ、不安、対人関係に関する悩みの相談にあたっている。

過去に、精神科クリニック 産業領域(トヨタ車体(株)) 愛知県教育委員会スクールカウンセラー(中学校) 等でのカウンセラーの経験がある。