公認心理師試験に合格するまで

今年はどういう年だったかと振り返るとひとつには、公認心理師(心理職の初めての国家資格)の資格の取得に時間とエネルギーを割いた一年であった。ということで、公認心理師受験ということでこの1年を振り返ろうと思う。

2017年の9月に公認心理師法が施行され、動向を気にしつつ、前例がない分、受験制度の整備等も時間がかかりそうだし、試験はもうちょっと先の話しか・・とのほほんとしていたら、突如その一か月後の10月、資格試験を受験するにはまず、公認心理師として必要な単位を取得するための現認者講習会というものに参加せなあかんらしい(大学院の時に取得した単位が、受験条件を満たす単位に読替ができれば不要)ということになり、周囲の心理士さんたちも皆申し込み始めたので、自分もあわてて申し込んだ。がしかし、もともとボーっとしている性分のため完全に申し込みに出遅れ、愛知県開催の講習会は外れてしまい、2月に大阪の立命館大学の茨木校舎で開催される講習会に参加することになっ7た。

研修は5日間あって、朝から夕方まで大きな教室に300人くらいで缶詰で講習を受けた。毎時間はじめと終わりに出欠を取るために、研修センターの人?が回って来て顔写真と見比べて出欠のチェックが入った。立命館大学茨木キャンパスは暖房のききが悪くて(初日は雪が降っていたこともあったと思う)寒く、体中にカイロを貼って受講した。休憩時間は短く、トイレにはいつも長蛇の列ができていていた。

本当に心身ともに過酷に感じた研修でしたが、宿を取っていた梅田近くの食堂街で食べる夕食だけが楽しみだった。美味しい定食屋さん、有名なお好み焼き屋さん・・等いろいろめぐって楽しんだ。中でも、3日目の夕食に、大阪に住んでいる顔なじみの方と一緒に食事に行けたのがよかった。その方は元は愛知県の研究会でご一緒していたのですが、今は大阪の大学院で心理を勉強している方です。この日は駅ビルの上層階にある食堂街で、串揚げを食べた。トマトの串揚げ等珍しいものが食べれてよかった。その後2人で、阪急梅田駅近くの立ち食いのたこ焼き屋に行き、ビールとたこやきを頼んで食べた。そこでしばらくお喋りしたら気持ちがすごく清々した。一日座っているだけの研修が続く日々は精神的にも身体的にもきつかったので、その最中に顔を見知った方と話ができてほっとした。

すぐに春になって、公認心理師の受験申込の手順になった。受験するには、心理業務の経験がある人達に受験資格を与える、そのための措置があり、常態で心理業務を5年以上経験していないといけない。その証明が必要となった。過去の勤務先に出向いて証明をお願いする等して必要書類を揃え、受験申込をした。そして、あっという間に初夏になった。試験日は9月9日だから、もう時間はあまりない。私たちは前例のない第一回の受験者だから、過去問もないし、問題数も試験当日までわからない。何を勉強すればいいのか不安ばかりが先行し、なかなか勉強を始める気にならなかった。しかし、知り合いの方に、こういう模試があると教えてくれたり、こういうテキストがあると教えてくれる人がいて、ありがたかった。そういうのに励まされて、結局自分ひとりで地道にテキストに向き合ってできることをコツコツやるしかなさそうだな。そう腹をくくることができた。やっと本腰を入れて勉強を始めたのが7月半ばくらいだった。

私は昔から、こういう時には自分のテキストをひととおり自分で作るという勉強法を取っているので、仕事しながらコツコツ進め、それが出来上がったのが9月に入る直前だった。そこから10日ほどで知識を詰め込んだ。7月の半ばから試験が終わるまでずっとお腹の調子が悪く、ときどき原因不明の片頭痛が起きた。そんなこんなで9月9日を迎え、受験を終え、11月末に発表があり、合格することができた。受験者の8割くらいが合格で、私の周囲は皆合格したようだったのでよかった。

この1年を振り返ると、自分はがんばったなとも思うが、いろんな人に助けてもらったとも思う。こうして手に入れた公認心理師の資格(手続きの関係で正式に資格が与えられるのは来年3月くらいになる予定のようだ)、生かされるように前向きに付き合っていきたいと思っている。

この記事を書いた人

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加藤 理恵

臨床心理士・公認心理師
カウンセリングルーム はるき カウンセラー 

(株)デンソーを退職後 心理系の大学院を修了し、39歳で心理カウンセラー
42歳でカウンセリングルーム はるき 開室。
ユング心理学を背景に持つ、夢分析 箱庭療法を得意とし、主にうつ、不安、対人関係に関する悩みの相談にあたっている。

過去に、精神科クリニック 産業領域(トヨタ車体(株)) 愛知県教育委員会スクールカウンセラー(中学校) 等でのカウンセラーの経験がある。