先日、家の入口の扉を開いたすぐの通路の隅のところに、日中枯れ葉がずっと落ちていて、それが実は蛾だった。名前はアケビコノハという蛾で、落ち葉に擬態している。はじめは落ち葉だと思っていたが、右から見ても左から見ても、立体的だったので気が付いた。それでよく見たら、足みたいのもあった。
インターネットで調べた時に印象に残ったのは、画像のいくつかに、「閲覧注意」という言葉が付されていたのだった。まあ蛾が苦手な人もおられるだろうから、しょうがないのだろうが、別に好き好んでこの姿に生まれてきたのではないだろうに。
・・・入口前の通路は、コンクリートが打たれており、落ち葉の一枚も落ちていないので、そこに居るアケビコノハは、擬態どころか逆に目立っていた。完全に居場所を間違えている。しかし、このあたりに風や天敵をよける場所もないから、ここにいるのだろう。風や鳥を避けるには、割といい場所と思われる。
気のすむまで、夜になるまでここにいよう。そして夜明け前に、飛んでいこう
なにも、好き好んで、こんな姿になったわけではない。自分は自分。堂々とそこにいていい。ネットによると、羽を広げた姿はまた、すごいらしい。それで人をぎょっとさせても、羽を広げるがいい。それが自分なんだから・・。
・・・そして飛びながらやっとモスは悟った。もう私にはこれ以上の変態はないのだと・・・
(※変態・・さなぎがチョウになる、おたまじゃくしがカエルになるなど、動物が成育過程で姿を変えること)