ある、愛の詩

(心に詩が浮かんできたので詩をよんでみました)

愛し合っている2人がいた。2人は2人でひとつだった。2人の世界に閉じこもって、外は見えなかった。外から見ると2人はとても仲良く見えた。

あるとき2人のうちのひとりが外の世界に気づいた。そして外の世界に出て行こうとした。もうひとりは中にとどまりたかった。

取り残されたほうは苦しんだ。なぜこのままこの楽園にとどまれないのか。あなたさえいてくれればいいのに。しかし、もうひとりは外の世界からもうひとりを眺めはじめた。愛は相手に対するのと同時に外の世界にも向けられてしまった。2人の世界は全く異なってしまった。

楽園の中にとどまりたかったひとりは嘆いた。外から見るとどうにかなってしまったように見えた。

そのひとりにとっての、あの愛の形、あれも愛ではなかったか。外の世界には一切向かわない愛。そのひとりにとって、もうひとりと一緒にいるところ、世界はそこだけだった。それでもそれを愛と呼ばないのか。

この記事を書いた人

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加藤 理恵

臨床心理士・公認心理師
カウンセリングルーム はるき カウンセラー 

(株)デンソーを退職後 心理系の大学院を修了し、39歳で心理カウンセラー
42歳でカウンセリングルーム はるき 開室。
ユング心理学を背景に持つ、夢分析 箱庭療法を得意とし、主にうつ、不安、対人関係に関する悩みの相談にあたっている。

過去に、精神科クリニック 産業領域(トヨタ車体(株)) 愛知県教育委員会スクールカウンセラー(中学校) 等でのカウンセラーの経験がある。