東海箱庭研究会主催の、箱庭を作る会に、今年も参加してきた。ここ3年くらいはお盆過ぎの暑い時に開催されていたけれど、今年は冬の一歩手前、11月の初旬に開催された。秋晴れの、天気のよい日だった。
会場は例年どおり、昭和区の檀渓心理相談室だった。のんびりと箱庭を作成して、他の方の作品も見せていただきながら、先生のコメントも聴くことができる。普段自分も箱庭療法をしているが、自分が作品を作成して他の方と共有できる数少ない機会でもあるし、箱庭作品に対する、先生の解釈がいくつも聴ける、貴重な機会でもある。箱庭を作成する合間には、茶菓が準備されている部屋があるので、そこに行ってコーヒーを飲んだりチョコを食べたりもできる。他の参加者の方たちと、世間話もできる。毎年、どこかからのお土産のお菓子が置いてある。今年はどなたかが持ってきた、滋賀の多賀大社の糸きり餅が置いてあった。歴史あるお菓子らしく、繊細で美しかった。
と、のんびりできるはずだったが、今年は思いのほか参加者が多く、あわただしい一日だった。昨年の倍近くの方が参加されたのだった。朝到着すると、受付の時点で人が並んでいた。3部に分かれているのにも関わらず、箱庭を作成するのにも、何人か順番を待たないといけなかった。
自分の箱庭を作成しおわると、先生にコメントをいただいた。先生に見ていただくのは、久しぶりだ。
自分の箱庭作品にコメントをいただいて感じたのは、先生が思いのほか、「内的」な解釈でコメントをくださったことだった。すなわち、作り手の連想とは少し見方が異なる、その人の深い内面の問題を示しているような解釈に基づくコメントのことです。はっとするけど、ときにグサとも来る。
その後、他の方たちへの先生のコメントを聴く段になった。先生はあちこちの箱庭を見て回ってお忙しい。作品が完成して先生のコメント待ちの参加者の方が何人か出るようになった。なので、その間にそこへ行って、先にみせていただいて、自分なりに心の中で解釈しながら見ることができた。その後で先生のコメントを聴くことで、私の解釈の仕方と、先生の解釈の仕方とを比較できる。そこで一番強く感じたのは、先生が思いのほか「外的」に箱庭を解釈して伝えていると感じたことだった。まず作成者に説明を求めて、それに添って、箱庭の解釈をソフトに伝えている。
考えてみると、私の箱庭作品に対してもおそらく、こちらの連想(外的な解釈)に合わせてコメントくださったのだと思う。しかし、作った本人からすれば、かなり「内的」な解釈を与えられたと感じられる、というのが本当のところだと思う。これはまさに、驚きの発見であった( ゚Д゚)。
今回参加してみて、箱庭をクライエントとどう共有するのか考えさせられた。今後の臨床に生かしたい。
私の作品より