おんなはこうして生まれる

呪いをかけられた女の子と祝福を受けた女の子

おとぎばなしを読んでいると両方出てくる。両方受けた女の子もいる。

呪いは受け継がれるように思える。女から娘へ・・・。水が、水面の高いところから低いところに自然に流れ込むように。流れ込んで、受け継がれる。

呪いをかけられた少女は100年の眠りにつく。

少女はその間におんなとしての強さを身につける。受容、忍耐、愛と憎しみ。腹の底から感じる怒りを知る。何に対する怒りか。悔しい。なんでこんなことに。人を愛せない恨み。鬼になってしまったこの身に対する恨み。少女は自分の全身が毒に染まったのを感じる。心の底からの怒り、恨み・・・。つま先から頭のてっぺんまで、自分がそれに染まっているのを知って唖然とする。絶望する。わが身を粉々にしたいほどの自己否定。おとぎばなしの中では実際死ぬ娘もいる。

しかしある時、少女はその毒を自分の中に持ったまま生きることを悟る。

おとぎばなしを読んでいると、おんなはこうして生まれるように私には思える。

この記事を書いた人

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加藤 理恵

臨床心理士・公認心理師
カウンセリングルーム はるき カウンセラー 

(株)デンソーを退職後 心理系の大学院を修了し、39歳で心理カウンセラー
42歳でカウンセリングルーム はるき 開室。
ユング心理学を背景に持つ、夢分析 箱庭療法を得意とし、主にうつ、不安、対人関係に関する悩みの相談にあたっている。

過去に、精神科クリニック 産業領域(トヨタ車体(株)) 愛知県教育委員会スクールカウンセラー(中学校) 等でのカウンセラーの経験がある。