選ぶことからはじめては

なんのために生きているのかわからない。そうやって私の相談室に来る人がいます。こういうことをおっしゃるのは私がお会いする中では10代の人に多い気がします。30代40代でもそういう方がいます。

こういう風に感じるのは自分のことがわからないからそう思うのだと思う。自分はどうして高校に通ってどうして勉強しているのだろう。どうしてこれから大学に進学して社会に出て行くのだろう。その理由がわからないのは、自分がどういう人間かわからないからそう思うと思います。

あなたは男性ですか。だったら男性の着る服を選びますよね。そういう風にして、自分に合ったものを選んでいくこと。それを繰り返していけば自分がどういう人間かはっきりしてくるのではないでしょうか。そうしたら、この世の中に自分にフィットした場所をみつけられるようになるのではないでしょうか。(そのためには世の中の人が見えていないといけないという問題はありますが・・今回はそれは置いておいて)

学校では我慢しないといけないことはたくさんありますよね。自分のことがわかって、何が好きで何が嫌いで・・そういうことがわかれば。そうすれば、どういうときに我慢して、どういうときには逃げて、どういうときには自分の言いたいことを言って・・。そういうこともわかるんじゃないでしょうか。そのためにも、何か感じたことがあったら「まあいいや」と流してしまうよりは自分のほんとうの気持ちはしっかり持っていたほうがいいと思います。

そうしたらいろんなことが選べますよね。この服が好きだから身に着けよう、この場所は嫌いだから行かない。あいつは好きじゃないけど、でも我慢して付き合おう・・。自分のふるまいも選べますよね。

生きているとすばらしいこともあるみたいです。だから、なんのために生きているのかわからないという人は、小さなことでいいので自分に合ったものを選んで行くところからはじめるのがいいのではないでしょうか。

この記事を書いた人

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加藤 理恵

臨床心理士・公認心理師
カウンセリングルーム はるき カウンセラー 

(株)デンソーを退職後 心理系の大学院を修了し、39歳で心理カウンセラー
42歳でカウンセリングルーム はるき 開室。
ユング心理学を背景に持つ、夢分析 箱庭療法を得意とし、主にうつ、不安、対人関係に関する悩みの相談にあたっている。

過去に、精神科クリニック 産業領域(トヨタ車体(株)) 愛知県教育委員会スクールカウンセラー(中学校) 等でのカウンセラーの経験がある。