呪いをかけられた女の子と祝福を受けた女の子
おとぎばなしを読んでいると両方出てくる。両方受けた女の子もいる。
呪いは受け継がれるように思える。女から娘へ・・・。水が、水面の高いところから低いところに自然に流れ込むように。流れ込んで、受け継がれる。
呪いをかけられた少女は100年の眠りにつく。
少女はその間におんなとしての強さを身につける。受容、忍耐、愛と憎しみ。腹の底から感じる怒りを知る。何に対する怒りか。悔しい。なんでこんなことに。人を愛せない恨み。鬼になってしまったこの身に対する恨み。少女は自分の全身が毒に染まったのを感じる。心の底からの怒り、恨み・・・。つま先から頭のてっぺんまで、自分がそれに染まっているのを知って唖然とする。絶望する。わが身を粉々にしたいほどの自己否定。おとぎばなしの中では実際死ぬ娘もいる。
しかしある時、少女はその毒を自分の中に持ったまま生きることを悟る。
おとぎばなしを読んでいると、おんなはこうして生まれるように私には思える。