私は開業心理士だが、スクールカウンセラーもしている。愛知県はスクールカウンセラーになると年に4回以上の研修参加が義務付けられている。先日その研究会に参加してきた。
今回は事例検討会で、それぞれで6人くらいのグループにわかれて、意見を出し合った。まずは各々が意見を付箋紙に記入してその後グループ内の似た意見ごとに画用紙に配置してまとめ、最後に会場全体で発表した。
ひとつめの事例では、示された事例の中で、不登校児童に対するスクールカウンセラーの介入として何が求められているかがテーマだった。私以外の方は、環境調整の方法として何があるか、例えばどの先生に協力していただくのがよいのか、別室として使う教室はあるかないか等具体的な介入について意見を出された。一方私は、事例の中で問題となっている子どもの問題点がいまいちわからないと感じたので、もう少し本人を理解することが必要ではないかと思った。
驚いたのと心細かったのは、そのような意見を出したのが私ひとりだったので、画用紙の中で私の意見を記入した付箋紙は、皆さんとはすこし離れた場所に途方にくれたように配置されたことだった。しかしその後の全体発表では6グループ中のひとつのグループでは、環境調整も必要だがまずは児童生徒の本質を理解していくことが必要ではないかとの議論がなされたようで、自分と同じだと思ってほっとした。
ふたつめの事例ではグループのメンバーを全く変えて討議を実施した。そこでは本質理解の観点で論じる方がもうひとりいらっしゃって、心強く感じ、他のメンバーの方々も私の意見に耳を傾け質問してくれたりしてうれしかった。
研修に参加して、環境調整という面で他のスクールカウンセラーの方々が具体的にどのようなことをされているのかきけて参考になった。ほとんどの方々が真摯な姿勢で取り組まれていると感じ、自分を省みることができたし、皆さんの姿勢にふれて励みになるのがありがたかった。
私は自分が開業していることもあり、クライエントは一旦(査定という意味で)自分で引き受けて問題点や本質を明らかにしてから(その後の心理面接をお引き受けできるかできないかはあるが)すすめていきたいと考える。ただ、学校や(病院もそうかもしれない・・)の中で働くとなると場合によっては本質はぼかしたまま動くしかない・・ということもあるようだし、それはひとりで働いているわけではないからしょうがないと思う。この機会に学校の中でどう動くかということを改めて考えることができてよかった。