目をあけておいでよ

昨日に歯医者さんに行った。今回これで2回目の治療です。行ったのは、刈谷にあるとある歯医者さんで、知り合いに勧められて行った、初めて受診する歯医者さんだった。

1回目に行ったときには、奥歯が痛んで、かなりの期間痛みを我慢してからの受診だった。仕事が終わって、夕方あわただしく受診したのと、元々歯医者さんが苦手で怖いこともあって、少しイライラした態度を取ってしまった。先生は丁寧に対応してくださったが、あとから自分が恥ずかしくなった。

昨日の受診は、そこから3週間経ってからの受診だった。そこで先生に謝ることにした。「先生、私子供のころから、歯医者さんが苦手なんです。怖がりで気が小さいから、ちょっとご迷惑をおかけするかもしれませんが、申し訳ありません」と。すると先生は「そうですか、先に言っておいていただくのが大事です」と笑顔でおっしゃってくれた。「ところで、何が苦手ですか」と。・・きかれてきづいたけれど、ただ怖いだけで、何が苦手かわからない。ただ、「私が、説明してくださいと言えれば大丈夫なんで」と伝えると、わかりましたと。

治療が始まると、虫歯を削って仮の被せものをするだけの治療ですが、かなり丁寧に説明をしながら、治療をしてくださった。途中で目を閉じようとしたら、「目を開けていたほうがいいですよ、閉じると、自分の世界だけになって、恐怖が増すから」ともおっしゃった。そうか、ここは目を閉じていくのではなく、開けていったほうがいいわけね、たしか昭和の歌でそんな歌があったわ・・などと考えて、こころの中で替え歌を歌っているうちに、治療が終わった。

はずかしいが私、空気を読むのが苦手てす。そして、どのような場所も、状況がわからないと不安で恐怖が増して、逃げ出したくなる傾向がある。なのでちょっと、説明が人より少し、多めにほしいタイプかもしれません。

そして、周りの人はそれほどの説明がなくとも安心できる人もいるのに、そうではない、小心者の自分に、自分はだめだなあと、コンプレックスを抱いている。すると余計、自分の恐怖心を相手に伝えにくい。

あと、恐怖と言っても、例えば歯医者さんだったら、とがったものが苦手とか、音が怖いとか、いろいろあると思うが、先生がきいてくださったときに、自分が何が怖かったのか、案外わかっていなかったことに気づいた。

自分で自分のことがわかっていなかったことに、啞然としたのと、自分の恐怖心や感情を、他の人に言葉で説明するのは、勇気がいるし難しいものだと、あらためて感じた。普段、カウンセリングのときに、クライエントの方に、いろいろな説明を求めている自分が、こんな感じなわけです。。

あらためて、このような自分と比べて、私の相談室に来談されているクライエントの方々の、コミュニケーションの力に敬意をはらわずにはいられないできごとでありました。ひごろ、クライエントの方々には、折に触れ質問していただいたり、率直な感情をお伝えいただいて、誠にありがとうございます、敬意を表さずにはいられません・・と、言いたい。

・・ところで、私はこれからは、目をあけていきたい。

この記事を書いた人

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加藤 理恵

臨床心理士・公認心理師
カウンセリングルーム はるき カウンセラー 

(株)デンソーを退職後 心理系の大学院を修了し、39歳で心理カウンセラー
42歳でカウンセリングルーム はるき 開室。
ユング心理学を背景に持つ、夢分析 箱庭療法を得意とし、主にうつ、不安、対人関係に関する悩みの相談にあたっている。

過去に、精神科クリニック 産業領域(トヨタ車体(株)) 愛知県教育委員会スクールカウンセラー(中学校) 等でのカウンセラーの経験がある。