法について

法という言葉がある。辞書を引くと「共同の生活をいとなむ上で守らなければならない、その社会の決まり、おきて」という意味らしい。また、仏教的には「法則・真理・存在」等の意味を持つ(←Wikipedia参照)らしい。法ということばには、人が他人と共に生きるにあたって持つべき道徳、秩序・・という外的な意味もあれば、その人個人の内に存在する真理、そして四季の移り変わりのような自然の理のことも指すようだ。

最近思うのは、世の中(私の周囲だけか・・?)に閉そく感が感じられるなということです。閉そく感がどこから来るかと考えたら、個と個のつながりが希薄になっているから、とも考えられますが、それ以前に、村上春樹風に言えば、「個が回復する」ことが必要なのだと思う。それには、ひとりひとりが自分の胸に手を当てて、自分の中の真理や自然について考えて、確認することが必要なのだろうと思う。

話はちょっと変わりますが、閉そく感から抜けるには、女性同士のおしゃべりはいいなと思う。新型コロナウィルスの流行の関連ニュースなどきいていて、もし自分がそうなって隔離等されたときに、どのような気持ちになるのだろうと考えると恐ろしくなる。そのようなときに、友人と互いに知っていることを不気味に話し合い、そして最終的には、なんだ不安なのはお互いに一緒じゃんねと笑い合う。

真理の在り方、自然の在り方は人それぞれ。しかし、人が自分自身や、他の人とのつながりを持たない場合、その人の中にある秩序は、法とは呼べないのではないか。それは学問や、理論では培えない。自分にとって法とは何なのか。このような時に今一度考えたいと思った。

この記事を書いた人

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加藤 理恵

臨床心理士・公認心理師
カウンセリングルーム はるき カウンセラー 

(株)デンソーを退職後 心理系の大学院を修了し、39歳で心理カウンセラー
42歳でカウンセリングルーム はるき 開室。
ユング心理学を背景に持つ、夢分析 箱庭療法を得意とし、主にうつ、不安、対人関係に関する悩みの相談にあたっている。

過去に、精神科クリニック 産業領域(トヨタ車体(株)) 愛知県教育委員会スクールカウンセラー(中学校) 等でのカウンセラーの経験がある。