ハウキャナビーハピー

一か月くらい前にテレビを見てて「こうしたら自分はハッピーになれる」と言って嬉しそうにしている人が目についた時期があった。

対談番組(SWITCH インタビュー 達人達:NHK) に出演されていた獣医師の齊藤慶輔さん。この方は猛禽類の獣医師で北海道で活躍されている。野生のタカやワシなどが人間の作ったもので傷ついている。その治療をしている。例えば交通事故。あとは電線での感電。それをなんとか食い止めようと環境にも働きかけている。番組の中で「人間は文明を持ったことで唯一生態系から外れてしまった。このままだと地球の生態系を壊しかねない。しかし自分はガイア理論、『地球は生命体』という考えに共感する。地球が壊れてしまうような何かが起こったときに止めようとする力が働く。これは自分が診ている動物の体に起こっていることと一緒、病気になったら抗体・白血球が働く。昔自分がどうありたいか考えたことがあった。そのときに自分は地球の白血球のひとつぶになりたいと思った。そうしたらハッピーな人生が送れると」とおっしゃっていた。

また、『こころの時代アンコール さとりへの道 華厳経に学ぶ』(NHK)では、僧であり仏教学者の方が華厳の思想について説明していた。華厳経の思想をいろんな分野、例えば物理学などの考え方と比較して共通点を説明していた。印象に残ったのはその方が最後に「華厳というのは仏を花で美しく飾ること。雑花厳飾。いろんな花とは私たち個人のことで、華厳の世界は仏の悟りの世界。そこに花を添えること、それが本当の在り方と思う。一つの花になりたい。皆が互いにそういう心がけで生きられれば、嬉しい」と嬉しそうにおっしゃっていた。

こういう風に世界と関わったらハッピー。この2人はそういうものを持っている。うらやましい。はたして私は・・?それからしばらく考えた。世界とこう関わったら自分は嬉しい、そう思えるものは?いくら考えても答えはみつからなかった。

華厳の世界に花びらを添えましょうを言われてもピンと来ない。自分が属しているどこかのコミュニティの白血球にも別になりたくない。なぜならこれは個人的なことだから。自分がハッピーになれるのもは人のまねをしても、いくら考えても、得られるものではないと思う。

さて、こうして考えてみたところ結局、ハッピーどころか、かえってアンハッピーになった。私にはどうしても割り切れない思いがある.。事実はそれだけではないか。それを自分が何かの形で語って語って・・そして運がよければ何かのタイミングで「自分がハッピーになれるもの」。それは偶然に得られるかもしれない。今はそういう結論に達した。

シロツメクサ(刈谷市内)

  シロツメグサ(刈谷市内5月)

この記事を書いた人

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加藤 理恵

臨床心理士・公認心理師
カウンセリングルーム はるき カウンセラー 

(株)デンソーを退職後 心理系の大学院を修了し、39歳で心理カウンセラー
42歳でカウンセリングルーム はるき 開室。
ユング心理学を背景に持つ、夢分析 箱庭療法を得意とし、主にうつ、不安、対人関係に関する悩みの相談にあたっている。

過去に、精神科クリニック 産業領域(トヨタ車体(株)) 愛知県教育委員会スクールカウンセラー(中学校) 等でのカウンセラーの経験がある。