最近カウンセリングルーム開設のご挨拶で近隣の病院等訪問させていただいている。
カウンセリングをすることのメリットを示すのはなかなか難しい。
そもそも、カウンセリングで得られるのは何か
私も実はカウンセリングを受けた。今も受けている。
カウンセラーを目指す人がカウンセリングを体験する意味においてカウンセリングうけるもの。これを教育分析と言う。私の周囲にいる心理士にもそのように自らカウンセリングを受けている人が何人かいる。
カウンセリングを受けて私は人間が好きになった。
もともと私は人間嫌いだった。
人のことは認められなかったし、他人のことはよくわからなかった。なぜなら自分のことがわからなかったし、自分のことが嫌いだったからです。でも、カウンセリングを受けて、私は少し人間が好きになった。
なぜこうなったか。
私はカウンセラーと長い間いろんなことを話し合った。
家族の話、恋愛の話、職場の話、友人の話・・・。一緒に怒ったり、驚いたり、喜んだり泣いたりした。その過程で私のものの見方感じ方が変わって行ったのだと思う。
なぜ変わったのか。自分のことが客観的に見られるようになったからというのは大きいだろう。しかし一番は、カウンセラーからの無言のメッセージが私を人間好きにしたのだと思う。
そのメッセージとは、
「あなたが人間嫌いになる気持ちもわかるよ。でも、世の中は本当に捨てたもんじゃない。今にきっとあなたにもわかるから。なぜなら僕がそうだったから」
というものだ。
もっともこれは「無言」のメッセージだ。このことはカウンセラーとは一回も話し合ったことはないので、本当にそう考えているのかは確かなことは言えない。
ただ、ひとつ事実として言えることがある。私は自分の言葉として上記の台詞を言えるようになった。そして、これは私にとって自信になっているということだ。これが治るということなのではないか。
カウンセラーが与えられるのは、「自分自身の弱点とそこからの回復過程、その物語」ではないかと思う。
裏返すと、これが「カウンセリングで得られるもの」とも言えそうだ。