米子の風景

10月に、学会への参加のために、米子に行ってきました。米子に行ったのは、実に12年ぶりで、前回訪れた時も、同じ学会の参加のためでした。当時私は、心理士になって1年目で、フレッシュで、学会参加自体が嬉しくてしょうがなく、そのような私に対し、亡き師匠が、「楽しんできてください」と声をかけてくださったことが思い出される。

12年ぶりの米子は、10月半ばでよく晴れて、きんもくせいが香っていた。岡山駅から乗ったのは、ブロンズ色のやくもで、4月からそれに乗車するのを楽しみにしていた。米子に着くと、ガラガラ荷物をひいて、すぐにホテルに入った。少し休憩してから、近くの居酒屋に足を運んだ。ホテルの従業員の方が教えてくれた店だった。そこで、地酒やはたはたのカラアゲ、しらすのサラダなど食べた。

一晩あけ学会1日目は、ワークショップとシンポジウムに参加した。シンポジウムには、文化人類学者の中沢新一さんが登壇されており、日本人の海側に住む人と山側に住む人のキャラの違いに関する、興味深い話も聴くことができた。隣で聞いていた友人は、「加藤さんは海の方だと思ったわ」というようなことを言ったが、自分的には、海か山かよくわからない。中沢さんが言うには、神話では、海側に住む人の魂は海に戻り、山側に住む人の魂は山に戻る、それらは鏡のようで、同じことらしいです。昼ごはんはその、関東の方の友人と、会場近くのカレー屋さんに行った。年配の女性2人で切り盛りしているお店で、安価な上美味しかった。そこで友人と少しだけ、プライベートな話などもでき、私にとって良い時間を過ごすことができた。

その日の夜は、前述の友人のつてで、関東の大学の先生と、そのゆかりの方たちのお食事の席に参加させていただいた。お店は野菜や海鮮が美味しかった。また、翌日には自分が発表をすることになっていたのですが、その席には、私の他にも翌日に発表を予定している方が2人ほどいた。1人でホテルにこもって、次の日のことを緊張で、悶々と心配する様なことをせずに済んだし、コロナ後初めての、その集まりへの参加だったので、単純に嬉しかった。そして発表当日は、緊張も少なく、無事に終えることができた。

米子に行ってから、これで2か月が経った。今年は春先から、学会のことを多く考えて過ごしていた。たくさん得るものも、あった。自分には知らない事ばかりだということがわかってよかった。この経験を可能にしてくれた、人たちに感謝したい。

この記事を書いた人

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加藤 理恵

臨床心理士・公認心理師
カウンセリングルーム はるき カウンセラー 

(株)デンソーを退職後 心理系の大学院を修了し、39歳で心理カウンセラー
42歳でカウンセリングルーム はるき 開室。
ユング心理学を背景に持つ、夢分析 箱庭療法を得意とし、主にうつ、不安、対人関係に関する悩みの相談にあたっている。

過去に、精神科クリニック 産業領域(トヨタ車体(株)) 愛知県教育委員会スクールカウンセラー(中学校) 等でのカウンセラーの経験がある。