守りの森2

以前に「守りの森」という記事を書いたことがあった。子どもたちを守るために、自分に何ができるのか、そういう内容だった。時が経てば、すぐにそれも忘れる。自戒の念も込めて、今日はこの記事を書こうと思う。

私は、生家では、自分だけ仲間に入れてもらっていなかったように感じていたが、それは家族に責任があったというよりは、私の性格に依るものだったと思われる。私は父親に、お人形のようにして育てられた。人形のような子と、誰もあまり関わりたいと思わないでしょうから。父は私の心を見ていたかと言ったら、あまり私にとってはそうは思えなかった。

心とは何かといったら、自信のある人のことかと思う。自信とは何かといったら、人は皆、自分の中に、何かしらの未解決なことを背負っているものだとは思いますが、それに責任を取ることだと思う。それにはまず、自分の中の未解決な部分に気づかないといけない。私にとって、それは何なのか。

父は5人きょうだいの三男で、兄が2人おり、上の伯父が農業を継ぎ、下の伯父が曽祖父・祖父と同じく教員になった。祖父は父が7歳のときに亡くなり、家計は苦しく、その中でも父は甘やかされたと言うが、要は私と同じ、お人形扱いされていたのではないかと察する。元々の父の性格もあったと思われる。

父の幼少期は戦後まもなく。食料がなく、配給をもらいに歩いてでかけた祖母は、空腹のあまり、途中で歩けなくなったという。上の伯父は学生時代に結核にかかり、その影響か?結婚前の伯母が1人で家計を支えていた時期があったという。その中で父は、ひとりだけまるまると太っていたという。

・・・物が与えられるのも愛情のひとつなのでしょうが、父には自信がなかった。自分はどこから来て、どこへ向かうのか。父は生前、何か大切なことでも、そうでない場合にも、何かを決めるときに、伯父のところに話をしに行っていた、それが私には不思議にうつった。

世の中の、子どもさんたちに言いたい。お父さんやお母さんがあなたのことを、大切にしてくれている人たちが、おそらくほとんどだと思います。でも、中には、お父さんお母さんに大切にされていると思っていても、実はそれは甘やかされているだけで、自立心が失われてしまう、そのような場合も、あります。

うわべの幸せはいつか、崩れるときがくる。そのときにあなたは、本当の生きる力を手に入れないといけない。私はそれを自信と呼びます。自分はどこから生まれてきて、どこへ向かうのか。

なので私は、自分の弱さや、日々感じる、自分の中にある理不尽さからくる感情を、少しでも正確に味わえるようになりたい。そうしたら、私の中にある未解決な部分を、少しでも解決できるかもしれないと思う。

この記事を書いた人

アバター

加藤 理恵

臨床心理士・公認心理師
カウンセリングルーム はるき カウンセラー 

(株)デンソーを退職後 心理系の大学院を修了し、39歳で心理カウンセラー
42歳でカウンセリングルーム はるき 開室。
ユング心理学を背景に持つ、夢分析 箱庭療法を得意とし、主にうつ、不安、対人関係に関する悩みの相談にあたっている。

過去に、精神科クリニック 産業領域(トヨタ車体(株)) 愛知県教育委員会スクールカウンセラー(中学校) 等でのカウンセラーの経験がある。