もし私が子育てで悩んだら

私は結婚もしていないし、子どももいません。それで、親子関係の、心理相談を行っている。なぜそれがしたいかというと、私は子どもたちに、お母さんに対して、優しい気持ちが持てるようになってほしい、そう思っているからです。

さて、こんな私が、もし自分に子どもがいて、悩んだり、煮詰まったりしたら、どうするか、考えてみた。私はカウンセラーなので、「それでは、あなたに合う人のところに行って、悩みをお話されては」と言いたいところですが、皆が皆、人に話すことで、気持ちが楽になるかと言ったら、違うと思うし、人に話すと余計混乱するから嫌、という人もいるかもしれない。それ以外の方法は・・と考えたときに思いついたことを、以下に書こうと思う。

私の個性の一つが、物事の処理速度が遅いことで、例えば、学生時代などは、先生の板書をノートにうつすのと、それを理解するのが同時にできなかった。なので、授業中は必死で板書をノートにうつし、家に帰ってから、時間をかけて理解していた。

今も、面接中に、筆記で記録を取らせていただいている。クライエントの方に、先生は何故そんなに書かれるのですかと聞かれることもあり、そのような時には、人より理解が鈍いので…と正直にお伝えしている。面接記録を読み返して、後から理解しなおすことも少なくない。

フロイトの心理療法は、物事を「なんで、なんで」とつきつめていく。夢の理解も症状の理解も、原因を追究していくのがフロイト流だ。

対して、ユングが大切にするのは、レリギオ。これは、ユングがいうには、ラテン語で、慎重な配慮という意味を、本来持っていた語らしい。

夜見る夢も、現実に起こっていることも、ありのままに記述して、すぐにこうだ…と決めつけずに、よく見ておくこと。そして、時がきたら、そこに何かの解決を示唆するような思いつきがあるかもしれない…それを待てばよいのだから。

レリギオ。慎重な配慮、そのための記録

もし私が、子育てで困ったら、そして、誰かにうまく話せそうになければ、まず日々の子どものようすを観察して、ノートに書くと思う。

この記事を書いた人

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加藤 理恵

臨床心理士・公認心理師
カウンセリングルーム はるき カウンセラー 

(株)デンソーを退職後 心理系の大学院を修了し、39歳で心理カウンセラー
42歳でカウンセリングルーム はるき 開室。
ユング心理学を背景に持つ、夢分析 箱庭療法を得意とし、主にうつ、不安、対人関係に関する悩みの相談にあたっている。

過去に、精神科クリニック 産業領域(トヨタ車体(株)) 愛知県教育委員会スクールカウンセラー(中学校) 等でのカウンセラーの経験がある。