心理士にはカウンセリングだけでなく、コンサルテーションという仕事がある。
コンサルテーションは、他の職種の方に、心理の専門的な知識や経験をもとにして助言をする。
病院の入院病棟に勤務していたときには看護師さんに、「この患者さんと接するにはメンタル面でこういうことに気を付けてさしあげると、患者さんにより快適な入院生活を送っていただけますよ」というようなことを言って、コンサルテーションで関わった。今はスクールカウンセラーをしているので、学校の先生たちにコンサルテーションをする機会がある。
いつもコンサルテーションでおかけする言葉がある。それは、ひととおりお話をお聴きし、ほんのちょっと助言した後の「まあ、(患者さんに対する接し方は)いままでどおりでいいよ」という声かけだ。そうすると看護師さんの顔がほっとする。コンサルテーションで関わる方たちはだいたいが第一線でクライエント(プライマリーでケアしている患者さん等)に関わっておられ、一番真剣に悩んでおられる。
話はそれて、心理士が縦の関係で同じ専門同士で指導、助言することはスーパービジョンという。私も先生についてスーパービジョンを受けているが、ときに鋭い指摘は受けるものの、臨床のやりかたについて「違うからこうしなさい」、という言い方で修正されたことはなかった。
・・・縦の関係だろうが横の関係だろうが斜めの関係だろうが、臨床の先生も私もクライエントも学校の先生も看護師さんもお母さんも、人間、好きでも嫌いでも互いに生きているんだからいろいろズレ齟齬等がないわけがない。だからことの本質は、正誤やいい悪いではない。そういう部分があると思うがどうだろうか。