3日ほど前に、カメラ好きな友人と2人で多治見にでかけてきた。遅めに家を出て昼食を食べた後で永保寺というお寺に行った。臨済宗のお寺で境内は広く、その中を人々がまばらに歩いていた。立派な本堂、大きな池があって太鼓橋がかかっていた。南北朝時代に建てられた観音堂は国宝に指定されている。
境内ではモミジが青々として美しく、池には鯉が泳いで静かに波紋を描いていた。いたるところに苔が生えていて、本堂前の砂利もきれいに整えられていた。大きな川が裏手を流れているらしく、音だけが聞こえてきた・・。カメラ好きの友人は構造物が好きなようで、本堂や、小さなお堂の造りにしきりに感心していた。
永保寺 太鼓橋と観音堂
永保寺の後には、市之倉というところにある、幸兵衛窯に行った。人間国宝の加藤卓男がかつてそこで作陶していた。現在はその息子の7代目加藤幸兵衛が跡をついでいる。窯があって、資料館がある。
卓男は昔のペルシャの焼き物を復元した人だ。初めて実物を見たが、本当にきれいだった。どんな思いで再現したいと思ったのだろう・・昔の人の暮らしに思いをはせたのだろうか・・どんな憧れがあったのかな・・そんなことを考えながら展示してあるお皿や壷などを見てまわった。
展示室内には小さなショーケースに入ったコーナーがあって、小さなものも展示してあった。確かお猪口とか徳利とかそんな用途のものだったと思う。形も絵も遊び心があって、面白かった。作成年を見ると、卓男がかなり年をとってからのものだった。
その後向かいにある資料館は建物の造りが面白く、お庭がすばらしかった。卓男は楽器や古い家具も収集していたようで、家の中のところどころに面白いものがたくさん置いてあった。2階3階は狭い部屋がいくつか配置された面白い造りになっており、それも面白かった。お庭には穴窯があって、年に何回か使うとのことだった。その日の庭は静かで、水皿に落ちる水の音とときどき木の葉が一枚ずつ、かさりと静かに落ちる音だけがきこえた。
幸兵衛窯 資料館庭
卓男の世界は遊びがいっぱいだった。人生遊びが半分なのかもしれない。自分がいかに遊んでいないかと思った。
楽しい休日だった。
※写真は全てカメラ好きな友人による撮影