仕事の休みを取って、先週の木金と野沢温泉に行ってきました。飯山まで電車で行って、そこからバスに乗って野沢温泉に行きましたが、観光客はまばらでした。着いたら、観光案内所に行き、そこで温泉街に数ある外湯(公衆浴場)の案内を受けた。今回は、熊の手洗湯と、松葉の湯の二か所を案内された。そこは比較的、お湯の温度がぬるいから、いいのではないかと言う話だった。時間はまだ早かったが、予約していた宿に電話を入れたら、どうぞお越しくださいと言う話だったので、すぐに歩いて向かった。宿はバス停から歩いて、5分ほどのところにある。5年前に滞在したことがあったので、多少土地勘はあった。
宿で部屋に落ち着くと、すぐに漬物を持った女将さんが入ってきたので「野沢菜~」と言ってよく見たら、キウリだった。それはそうだ、立科出身の母が言っていた、自家製野沢菜漬なんて冬場に漬けて、3か月で食べきっちゃうよ、すぐに酸っぱくなるしと。夏場に自家製野沢菜漬なんてあるわけない。そう思いながらキウリの漬物をいただいたら、すごく美味しかった。畑で取れたのでとおっしゃっていた。
漬物をたべてからすぐに、熊の手洗湯に向かった。女将さんも、あそこだったら、熱かったら水でうすめられるわよと。前回宿泊したのが、熊の手洗湯の真向かいの宿だったので、何度も入ったことがある。入口でお賽銭箱にお賽銭を入れ、手を合わせる。女湯の表示のあるドアに向かった。
中に入ると、地元の方と思しき女性がひとりいて、シャンプーをされているところだった。挨拶をして、「ぬる湯」(と「あつ湯」がある)のほうの湯舟に向かい、風呂桶でお湯をすくい、身体にかけ湯をした・・・が、めっちゃ熱くて、全くぬるくない。しかし、5年前にも体験しているので、驚かない・・。
涼しい顔をして、まずは足でかきまわした・・が熱くて入れない。地元の女性は、お湯の温度管理に厳しい方もいることは、5年前に来て承知しているので、ようすをみながら、かけ湯などしていると、「これ以上はね、ぬるくならないのよ」と。これは、水でうすめてはいけないという、メッセージなのか。
それでも、これは熱くて入るのは無理だと、女性がシャンプーをしている間に、桶に2杯ほど水を汲んで、素知らぬ顔をして「ぬる湯」に足したりした。するとシャンプーを終えた女性が、「私はね、60年もここに入っているから、この湯量(ぬる湯に源泉が3本そそいでいる、うち2本が水で、1本が熱湯)だと、どのくらいの温度になるか、わかるのよ」とおっしゃった。これは観念するしかなさそうだ、うすめてはいけない・・。
・・女性は年齢は80歳くらいだろうか、コロナ前に循環器系を患ったということだ。それで関東の病院で手術を受け、野沢に帰ってから、子らが風呂に溜めてくれた温泉の湯で身体を癒したという。数か月後に、関東の医者を再度受診すると、身体がとてもよくなっていると言われた、そういいながら、手術の時の傷を見せてくれた。温泉の効果はすごいのだ。ただ、お医者のおっしゃったことを守って、身体を洗う時間も含めて、15分で出るようにはしているとのことだった、そこはもちろん、科学を取り入れている・・そんな話をしていると、いつのまにか、あれほど熱いと思っていたお湯に、女性と一緒に入っていた。
熊の手洗湯は、効能は切り傷・・となっていますが、地元の方たちがおっしゃるには、お湯がお化粧水のようで美容にいいと。次の日の朝も、早起きして行ったが、そのときには早すぎて、地元の女性アワーだったらしく、私が入っていくと、最初にいらっしゃった方たちは皆、サっと会話をやめて、そそくさと洗って出ていかれた。しかし、その後来られた地元の女性たちが皆、浴場に入って来るとすぐに源泉が流れ落ちているところに向かい、そこから、手で温泉湯をすくい口に含み、顔も洗っている、それを私は見逃さなかった。
こうして滞在した野沢温泉。宿を出るときには、女将さんが、ビニル袋に入れた米をくれた。この近くで作っているのよと。宿のご飯は美味しく、女将さんの漬けたキウリの漬物は特に美味しく、滞在中に、もりもり食べた。野沢温泉のお湯はやはり熱く、女性たちはほとんどの人が、美人で温かかった。
温泉の効果だろうか、この日私は、3回目のチャレンジ(1回目は豪雨、2回目は積雪と濃霧で断念)でとうとう、戸隠神社奥社まで登って、詣でることができた。その後バス停に戻るべく、40分くらいかけて山を下って鳥居をくぐって外へ行く、その直前で、結婚式の前撮りをしている夫婦に合った。根拠はない、しかし、何事も時があるのだと感じた。