こころの専門家が話を聴くということ

巷ではカウンセラーと名乗る人がたくさんいる。インターネットでカウンセラーと入れて検索してみると、心理カウンセラー以外にもいろいろなカウンセラーがいるものだなと思う。自分はこの中でどういう位置づけにあるのかなとときどき考えることがある。

学校や病院の中でカウンセラーとして働いたことがあるが(学校では今も働いているが)、看護師さんや先生方にしてみれば、患者さんや保護者生徒の話をカウンセリング的に聴くことも、仕事の一部として含まれていると思う。そうすると心理カウンセリングを専門とする私としては、なにのためにここにいるのか・・・となる。いったい自分の専門性をどうやって示して行ったらいいのだろう、私は何のためにここにいるのだろうと。

他職種の方がどうという以前に、カウンセラーはこれを聴くのが私の臨床だ、というものを持っていることが必要だと思う。それに対するある程度の確信と責任、それに身を投じることができることだと思う。しかし一方、「これ」について常に疑問を持って問い続けていることも必要だと思う。

こうやって書いてみると、自分の状態を知って自分をどう世の中で生かすのか考え続けるのがカウンセラーの専門性のように思える。これは青年期の悩みみたいだなあと思う。私の精神発達が青年期のあたり(もっと前かも・・)だからかもしれない。話を聴くというのは専門性どうこうではなく、話を聴く人が現在の自分の状態や欲求にすなおに目を向けることかなと思う。そうすれば自分が今どこにいて、何をしているのかわかる。

この記事を書いた人

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加藤 理恵

臨床心理士・公認心理師
カウンセリングルーム はるき カウンセラー 

(株)デンソーを退職後 心理系の大学院を修了し、39歳で心理カウンセラー
42歳でカウンセリングルーム はるき 開室。
ユング心理学を背景に持つ、夢分析 箱庭療法を得意とし、主にうつ、不安、対人関係に関する悩みの相談にあたっている。

過去に、精神科クリニック 産業領域(トヨタ車体(株)) 愛知県教育委員会スクールカウンセラー(中学校) 等でのカウンセラーの経験がある。