※「星の王子様」の内容についての記載があります。
サン・テグジュペリの「星の王子様」に、花が出てくる。花はどこにでもある花だったが、王子様の花は、わがままで、王子様に世話をかけた花だった。
花とはなにだろうか。やさしさ柔らかさ、美しさの象徴ともいえそうです。
花のある人、というと、目立つ人、きらびやかな人を、一般的には指したりする。あと、少し派生してとらえるならば、花と例えられるものは、例えば美しい花そのもの、花のように美しい人のこと、大きな立派な家、きらびやかな洋服、かわいく目を引くアクセサリー・・私たちが見て、心躍るようなもののことか。
「星の王子様」を読んでいると、これら形のあるものの一方、形のない「花」というものの存在が見えてくる。形のある花は、形のない「花」を咲かせるための、仕掛けなのだと感じた。
この形のない「花」には、いろいろな形がある。でも、こうしてみると、ここにも、あそこにも咲いていることに気づく。きっとこれを読んでおられるあなたのそばにも。それは、そこにいて、関わる人々の誰がいいとか悪いとか、わがままだとか素直だとか、健康だとかそうでないとか、若いとか老いているとか、いじわるかそうでないかとか、頭がいいとか悪いとか、そういことは、どっちでもよいようだ。ただ、自分がやむにやまれず、関わることになっている、ある関係があるとして、やむにやまれず、居続ける、場所があるとして・・きっとそこに、「花」は咲いている。
話に登場するキツネが言っている、心で見なくては、物事は良く見えない。かんじんなものは目に見えないところにある。
大切なのは、形ではない。しかし、形なしには、この「花」は見えてこない。現実世界の関心事も、利害関係も、違う目で見ればおそらく、「花」に結びついている。
しかし私たちは、身体を持ち、限界がある。現実世界で何か限りのあるものを、何かに充てないといけないとしたら、そして、そこに優先順位をつけるとしたら、最優先でその「花」に充てるべきだと私は考える。なぜなら、それこそがこの分断の世の中で、私自身をこの世に結びつけるものに外ならないと、私が考えているからです。
いつも「花」の存在に目を向け続けたいものです・・🌸